資本主義システムの効率 5
イギリスでは組合組織率が極度に高いこれは言葉の悪い意味である公企業の経営と、昔から多国籍的で、世界的な寡占において積極的な役割を演じた私企業の経営とが、あきらかに対極をなしていました。
フランスの場合は、その正反対に位置づけられるべきであるように思われました。
日本は公共セクターをたえず重視して、公企業を大規模な産業計画の先兵として、あるいは私的企業の手本として組織してきたために、非国有化によってさほど得るところがあるようにはみえなかったのです。
私企業のエリートは、工業化の初期の頃から公企業のエリートの育成に注がれるほどの努力がはらわれてこなかったのです。
このような公共セクターの地位のちがいは、初期の民営化の浮き沈みの比較のなかにも実際に見いだされます。
しかし民営化への情熱がしだいに衰えながらも民営化が続けられるなかで、各国のあいだの格差は縮まっていきます。
イギリスやアメリカの民営化企業のいくつかは、以前の公共セクターの地位のときほど効率的でないということが明らかとなりました。
これに対して、フランスやイタリアの企業のなかには、かなり順調で、公企業であったときよりも良好な企業がありました。
さらにこのようにさまざまな差異が縮まったことは、民営化のまわりに政治的・イデオロギー的な無関心の空間が徐々に定着しつつあることを説き明かしてくれます。