メキシコに時間はあるのか 2
「貧乏だが、おおらかで、その日その日を楽しむすべを知っている彼ら・・・
生活を底抜けに陽気に楽しんでいる乗客・・・
都会の乾ききった生活と、せかせかと激しい仕事に追い立てられて、忘れかけていた何か・・・
暖かい人間のつながり、ほのぼのとした情感、わたしは現代にとっくに消えてしまった何かを、この片田舎を走る汽車の中で見出したような気がした」
・・・と並河氏は書いています。
D&G 時計を持つ私たち日本人は、鉄道には時刻表があって、時刻表どおり運行されるものと思っています。
時刻どおり運営されてこそ近代的交通機関の役割を果たします。
そうでなければ鉄道は鉄道であって鉄道ではありません。
まして機関士が勤務途中で、職場を放棄し、祭りに行って帰ってこないというのでは近代化も工業化もあったものではありません。
厳密な時間による組織的行動が近代化への条件です。
このことは観念的には分かっていても、なおかつその日その日の生活を楽しむメキシコ人・・・。
時間のない国メキシコでは、個人個人の生活はあっても、それが時間による組織化につながらないのです。